有楽町で行われたたインクルーシブデザインのセミナーに参加してきました。
ここで一つインクルーシブデザインの例を紹介します。この写真は羽田空港の国際線ターミナルです。よく観察してみると点字ブロックがない!
そもそも点字ブロックというのは健常者が開発したもので視覚障がい者からしてみればあまり必要性がないものらしいです。羽田空港の国際線ターミナルではリードユーザーと共にデザイン、設計していくインクルーシブデザインが使われて点字ブロックがなくなったそうです。
このようにリードユーザーの意見を聞かなければ僕たちにはわからないことがたくさんあります。健常者が良かれと思って作ったものは実際には障がい者にとっては役に立たなかったり逆に不便になることもあります。
インクルーシブデザインを用いたらより良い社会になるのでは???
今回は二つのグループにに分かれて作業が行われました。セミナーには15人ほど参加していましたが、ほとんどが企業から来た方々で学生は僕含め二人しかいませんでした…
今回のワークショップは”超高齢社会の誰もが楽しめるもの”という大きい目標があり、それに加えて各グループに課題が与えられました。僕たちのグループは”絆創膏”という課題を与えられました。絆創膏はずっと形が変わっていない商品です。僕たちは絆創膏は不便と思いませんが障がい者にとってはなかなか扱うことが難しい人もいるのです。そんな絆創膏をリードユーザーの方と話し合いながら今後の絆創膏のあり方について考えていった。
今回のセミナーでは”デザイン思考”と言う考えを使ってセミナーを進めていった。
ビジネス全体に関わる手法であり、プロダクトデザインにとどまるものではありません。優れたデザイナーの創造性をあらゆるビジネスシーンで発揮するためのものであり、デザイン思考は組織的な創造性を高めるための方法論であるそうです。
最初に障がいをもったリードユーザーの方に実際に絆創膏の箱を開けるところから貼るまでの一連の動作をしてもらいそれを観察します。
僕のグループにはバイクの事故と脳出血の影響で下半身と右腕が麻痺してるタロさんと言う方がいました。右腕が動かせないので絆創膏の包装を剥がす時は左腕と口を使って開けて貼っていました。
次に絆創膏をつけるまでリードユーザーが不便に思ったことを付箋に書いていきます。ここで大事なことは自分の思い込みで付箋に不便そうと思うことは書かないことです。実際にリードユーザーに聞いてみるとそんなに不便ではないことがあります。僕たちのグループでは包装が剥がしにくいという問題に絞りました。
ここでは文字をできるだけ使わずに絵でどんなものがいいかデザインします。一人一人まずは紙にどんなものがいいか描いていきます。ある程度描けたら、それらを順番に発表していきます。(僕のグループは4人いました)その際に、前に発表した人のアイデアを必ず自分のデザインに取り入れながら発表します。そうすることで最後に発表する人は全員のアイデアが盛り込まれたデザインになっています。その結果、僕たちのグループでは絆創膏を自動で貼ってくれるロボットのようなものをデザインしました。
今回は時間がなくプロトタイプは作成しませんでした
プロトタイプを作成しなかったためか、あまり現実味のあるものではありませんでした…
最後に作ったものを寸劇でどのように使われるか発表します。最終的には僕たちのグループは“ケガシタインデス”というキャッチフレーズでケガをポジティブに捉えるものを考えました。仕組みはロボットが自動で絆創膏をつけて、しかもそれプラス子供が喜ぶようなベルトもプレゼントするというものでした。
今回インクルーシブデザインのセミナーに参加して自分の視野が狭いと改めて思いました。健常者が何気なく生活している中にも不便なことが溢れているし、健常者の固定概念がデザインするときに邪魔になると思いました。ユニバーサルデザインは健常者の固定概念や思い込みで作られていますが、それに対してインクルーシブデザインはリードユーザーの考えも取り入れながらデザインできるため、より良い社会にできる手法だと思いました。